コラムColumn

2016.12.09

体調管理

大切な胃腸を守る、体に優しいお酒との付き合い方



 毎年12月11日は胃腸の日。「1211=胃にいい」という語呂合わせと、1年の締めくくりに、これまで負担をかけてきた胃と腸をいたわって欲しいとの願いも込められています。
忘年会や新年会などイベントごとが続くこの季節、特に飲み過ぎによる不調が懸念されますね。上手にお酒と付き合うためにも、アルコールが胃腸に及ぼす影響を知り、しっかりと対策を講じておきましょう。



【アルコールが影響する胃腸の病気とは......】

アルコールの飲み過ぎは肝臓に悪いという印象がありますが、一番影響を受けるのは、アルコールの経路となる、食道、胃、腸などの消化管です。その影響を最小限にくい止めるためにも、まずはアルコールが原因となる消化管の疾患について知っておきましょう。

◆がん
多量な飲酒により体内で分解しきれなかったアセトアルデヒドは、細胞の遺伝子を傷つけ、食道がん、大腸がんなどを発症させる原因に。また飲酒に喫煙が加わることで、がんになる可能性が飛躍的に高まることがわかっています。

◆逆流性食道炎
アルコールの多飲は食道と胃のつなぎ目にある筋肉を緩ませてしまうため、胃酸が逆流しやすくなります。胸焼けや吐き気、げっぷ、喉の違和感、さらには胸を締め付けるような痛みが生じ、特にビールなどに含まれる炭酸ガスは、胃の内圧を高めるため逆流が起こりやすくなるといわれます。

◆マロリーワイス症候群
嘔吐を繰り返すことで食道に圧が加わり、食道下部から胃の入り口の血管が破れ出血する病気。飲酒後に発症することが多く、食道への圧が正常になれば自然に止血しますが、多量に出血する場合はショック状態を引き起こす危険性もあります。

◆急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
突然の胃痛やむかつき、吐血、血便、嘔吐などの症状があらわれ、胃や十二指腸に潰瘍、胃炎、出血性のただれなどが生じます。いずれも飲酒者に発症しやすい病気です。


 ほかにも、アルコールを長期に大量摂取することで、大腸にポリープができやすくなることなどが指摘されています。





【胃と腸を守るために......体に優しい飲酒のポイント】
 飲み過ぎれば深刻な健康被害をもたらすアルコール。でも、上手に楽しめば、「消化を助ける」「食事が美味しくなる」「ストレスが発散できる」などのメリットが期待できます。以下の項目を参考に、ぜひ体に優しいお酒の楽しみ方をお試しください。


(1)空腹での飲酒は避ける(前もって乳製品などを食べて胃を保護しておきましょう)
(2)酒量を守る(一般に、1日にビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯、ウイスキーならダブル1杯がそれぞれ適量といわれています)
(3)ゆっくりと飲む(飲む速度が速いと血中のアルコール濃度が急激に高まり、酔いやすくなります)
(4)酒肴は良質なタンパク質を(枝豆、豆腐料理、白身魚、アサリの酒蒸しなどがお勧めです)
(5)強いお酒は薄めて飲む(強い酒を飲んだ後すぐ水を飲むことでも胃腸への刺激が和らぎます)
(6)飲んだ後にも水を飲む(体内に残ったアルコールを分解するために、飲酒後も水分補給に努めましょう)
※お酒の健康的な楽しみ方については「耳よりだより」2014.11.20配信分「お酒と上手に付き合う飲み方の巻」などもご参考に。



 年末年始の楽しいイベントを、胃腸のトラブルのきっかけにしないためには、上記のポイントを実践することが重要です。ちなみにアルコールによる水分不足は血液の粘度を上げ、脳梗塞や心筋梗塞といった疾患の原因にもつながるので要注意。体に優しいお酒の飲み方を身につけて、ゆく年来る年をぜひ健やかにお過ごしください。



■胃腸の疾患をはじめとした、アルコールによる不調が気になる方は、こちらにお問い合わせください。


関西メディカルネットtwitter 関西メディカルネットfacebook

電話での問い合わせ

受付時間: 9:00~18:00(月~金)

0120-81-7976

インターネットからのお問い合わせ/資料請求

お問い合わせ・資料請求