耳よりだより

2016.09.02

体調管理

知っておきたい、睡眠不足との生活習慣病の関係


 「睡眠の日」をご存知ですか。これは、睡眠に関する正しい知識の普及や啓発を目的に、2011年に睡眠健康推進機構と日本睡眠学会が制定したものです。春(3月18日)と秋(9月3日)の2回あり、それぞれの前後1週間は「睡眠健康週間」としてさまざまな啓蒙活動が展開されます。3月18日が睡眠の日であるのは、世界睡眠学会が定めた「世界睡眠デー」に因んでおり、9月3日は9と3で「ぐっすり」という語呂合わせからきています。
 睡眠は私たちが生きていく上で必要不可欠なもの。ただ、忙しい現代人は「寝る間を惜しんで働く」といった具合に、とかく睡眠を犠牲にしがちです。しかし、睡眠不足が糖尿病や心臓病、さらにはがんのリスクを高めていることを知れば、睡眠を決して疎かにはできないでしょう。今回は、睡眠が健康に与える影響のうち、特に生活習慣病との関係についてご紹介します。

■睡眠が不足すると血糖値が上がる!?
 糖尿病は、何らかの理由でインスリンが作用せず、高血糖状態が続くことで、全身の血管や神経にさまざまな障害を起こす病気です。食生活の乱れや運動不足、肥満や加齢、遺伝などが原因ですが、睡眠不足もそのひとつ。睡眠が不足すると交感神経が刺激され、血糖値を上昇させるホルモンやインスリンの効きを悪くするホルモンが分泌されるので、糖尿病の発症リスクを高めてしまいます。また睡眠不足は、食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌を減少させ、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌を活発化させます。その結果、糖尿病の原因になる肥満のリスクも増加させます。


■睡眠不足が心臓病のリスクを高める!?
 睡眠不足により体内に蓄積したストレスや疲労は、高血圧や動脈硬化を引き起こす原因になります。睡眠時間が5時間以下の人は、7〜8時間睡眠の人に比べ、高血圧の発症率が2倍に増えるとか。そのため、心臓にかかる負担が増大し、心臓病の発症リスクを高めることがわかっています。睡眠時無呼吸症候群の症状のある人も、睡眠中に無呼吸状態が繰り返されることで、心臓や脳、血管に負担が生じ、これが続くことで高血圧や虚血性心疾患、脳血管障害などを発症する危険性が高まります。

■がん発症の原因にもなる!?
 がんは、細胞のなかのDNAが傷つくことが発端となり発症する病気です。予防のためには、傷ついた細胞をがん化させないよう、免疫力を高めることが重要ですが、睡眠が不足すると、睡眠中に分泌されるさまざまなホルモンのバランスが乱れ、免疫力が低下。その結果、がん発症のリスクを増大させてしまいます。睡眠不足によるストレスも、がんの発症率を高める原因になります。

■睡眠の質を高める「睡眠12ヵ条」
 さまざまな生活習慣病の原因となる睡眠不足。ただし、長時間眠ればいいというわけではありません。大切なのは時間ではなく質。朝、目覚めたときに「ぐっすり眠った」という感覚が得られる眠りが、質のよい眠りです。ではどうすれば質のよい眠りが得られるのでしょうか。これについては、2014年、厚生労働省が11年ぶりに改訂した睡眠に関する指針がありますので、ぜひこちらをご参照ください。

①よい睡眠で、体も心も健康に
睡眠不足や睡眠の質の低下は、さまざまな疾患リスクを高めるほか、交通事故や仕事のミスにもつながります。

②適度な運動、しっかり朝食、眠りと目覚めのメリハリを
適度な運動は入眠を促し、中途覚醒を減らしてくれます。規則正しい食事、なかでも朝食は重要で、朝ご飯を食べることでしっかり目が覚めます。

③よい睡眠は、生活習慣病予防につながります
睡眠時無呼吸症候群の予防のためには、肥満にならないようご注意を。

④睡眠による休養感は、心の健康に重要です
不眠が続く人はうつ病の可能性も視野に入れ、自身を点検してみましょう。

⑤年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
必要な睡眠時間は人それぞれ。6〜8時間程度の睡眠を取っていて、日中の眠気で困ることがないなら心配はありません。

⑥よい睡眠のためには、環境づくりも重要です
脳が徐々にリラックスできるような環境づくりに努めましょう。就寝前、ぬるめのお風呂に入ることも効果的です。

⑦若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
光の刺激により目がさえてしまうので、寝床に入ってからの携帯電話やゲームなどは控えましょう。

⑧勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
仕事や生活上の都合で夜間に十分な睡眠時間を確保できなかったときは、午後の早い時間帯に30分以内の短い昼寝を取るといいでしょう。

⑨熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動でよい睡眠を
日中に軽度な運動をするとよく眠れるようになり、生活習慣病の予防にも役立ちます。

⑩眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
眠れないのに寝床に長くいると、かえって眠りが浅くなります。就寝時間が遅れても一定時間に起きるようにすると入眠時間は安定します。

⑪いつもと違う睡眠には、要注意
睡眠中の激しいイビキや呼吸停止、手足のぴくつき、むずむず感などには、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れている可能性があります。

⑫眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を
自らの工夫で睡眠の問題が改善しない場合は、早めに専門家に相談しましょう。

●詳しくは厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」をご参照ください

 よい眠りを取ることは、生活習慣病を予防する上で重要です。健診結果で血圧、血糖値、BMI、腹囲などが基準より高い場合は、睡眠不足も原因のひとつになっているかもしれません。また、「最近、なかなか眠れない」など睡眠に関する不安やお悩みをお持ちの方も、生活習慣病という視点から、ご自身の健康を見直してみてはいかがでしょう。関西メディカルネットでは、生活習慣病の予防・改善に役立つ、さまざまなサポートメニューをご用意しております。関心をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。


■生活習慣病が気になる方は、こちらにお問い合わせください。