コラムColumn

2016.05.26

体調管理

いまからでも遅くない!! 禁煙を成功させる秘訣とは

 5月31日は世界禁煙デーです。これはWHO(世界保健機関)が禁煙を推進するために制定した記念日で、WHOが設立40周年を迎えた1988年4月に定められました。

 日本では1992年より、5月31日〜6月6日までの1週間が禁煙週間となっています。
 タバコはがんをはじめ、心臓血管病などさまざまな病気の発症と深く関わっており、喫煙者の寿命は非喫煙者と比べ、10年ほど短くなるといわれています。でも、悲観することはありません。いくつになっても禁煙すれば、健康改善効果が期待でき、さらには短くなった寿命を取り戻すことも可能といいます。
 ただ、長年の喫煙習慣を断ち切るのは、そう簡単なことではなさそうです。そこで今回は、禁煙を上手に始めるための方法についてご紹介します。


【吸わない人にも影響が及ぶ! 知っておきたい喫煙のリスク】
 タバコが体に悪いことを知らない人はいないでしょう。しかし、実際にどんな影響をもたらすか、きちんと理解している人は少ないのでは。禁煙するためにも、まずはどのような健康障がいがあるか知っておきましょう。
 喫煙がもたらす疾患というと、肺がんを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、タバコがもたらす影響は実に広範に及んでいます。主な健康障がいには次のようなものがあります。

健康障害

◆がん......タバコの煙の中には60種類以上の発がん性物質が含まれています。その煙を吸うことで、口・喉・肺など煙の通り道はもちろん、食道、胃、肝臓、すい臓、膀胱、子宮などタバコの煙が触れない部位でも、がんのリスクは高まります。

◆呼吸器疾患......タバコの煙に含まれる有害物質(ホルムアルデヒド・アクロレインなど)が気道粘膜を刺激し、慢性気管支炎・気管支ぜんそくなどさまざまな呼吸器疾患を引き起こします。近年、死亡者が増加傾向にある慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、喫煙者の15~20%が発症していることがわかっています。

◆脳血管疾患・虚血性心疾患......タバコを吸うことで体内に取り込まれる一酸化炭素により、体内組織の酸素が欠乏。これにより動脈硬化が進み、脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管疾患や、狭心症・心筋梗塞など虚血性心疾患が発症しやすくなります。

◆消化性潰瘍......タバコの煙に含まれるニコチンは、胃液の分泌を促進させ、胃や十二指腸の粘膜への攻撃因子を増加。その結果、胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。喫煙に飲酒が加わると発症の可能性が飛躍的に上がるため、いっそう注意が必要です。

 上記以外にも、喫煙は歯槽膿漏など歯周病を招くほか、味覚・臭覚の低下、白内障、難聴、脳萎縮、骨粗しょう症などのリスクも高めます。女性の場合は、低体重児・早産・妊娠合併症の率が高くなるほか、ビタミンCの破壊によりシミやシワができやすくするなど、美容面にも大きく影響を与えます。
 さらにタバコの健康障がいは、吸わない人にも及んでいます。タバコの有害物質は、主流煙(喫煙により直接吸い込まれる煙)より、副流煙(火のついた部分から立ちのぼる煙)の方に2~4倍以上多く含まれているといわれており、周囲に影響を及ぼさないためにも、禁煙することが望まれます。


【禁煙は準備が肝心! チャレンジ前にしたい、こんなこと】
 喫煙の弊害を改めて知ると、いますぐに禁煙したくなりますね。でも、思い立ってすぐやめられるほど、禁煙は甘いものではないようです。実際、何度も挑戦したけれど失敗した、という方も多いことでしょう。
挿絵1  禁煙を成功させる方法として、お勧めしたいのが準備期間の設定。禁煙を始めようと思う日から最低1~2週間程度の準備期間を設け、ご自身の喫煙行動をチェックしてみましょう。たとえば、①吸った時間、②吸った時の状況や気分、③吸いたいと感じた程度、について記録をつけ、特においしいと感じた時間を○で囲んでみると、自分の喫煙パターンが見えてきます。
 また、なぜ禁煙するのか理由を3つ選んで書きとめ、目につくところに貼っておいたり、毎晩寝る前に10回繰り返して読むなどすると、禁煙意欲が徐々に高まっていきます。禁煙する日も、誕生日や記念日など区切りのいい日にすると、モチベーションの持続に役立ちます。ほかにも、厚生労働省が「禁煙に向けての15のヒント」を推奨していますので、ぜひ以下を参考に禁煙のための準備をはじめてみてください。


■禁煙に向けての15のヒント
挿絵2 1:タバコの銘柄を、おいしくないと感じる銘柄やニコチンの少ない銘柄に変える(ニコチンの少ない銘柄に変えた場合、本数が増えることがあるので注意)。
2:タバコを吸う際、タバコの持ち手、くわえる口の位置を変えたり、ライターからマッチに変更してみる。
3:タバコを吸う時間や場所を段階的に制限していく。
4:タバコが吸いたくなる場所や時間をチェックする。
5:家族や友人、職場の同僚などから、一緒に禁煙を始める仲間を見つける。
6:家族や友人など周囲の人に、禁煙することを伝え、協力してもらう。
7:タバコに変わるストレス対処法(リラクゼーション法など)を身につける。
8:タバコが吸いたくなっても3分間は我慢。その間、深呼吸などタバコの代わりになるものを見つけて実践してみる。
9:禁煙に失敗したことのある人は、その理由を思い出し今回の参考にする。
10:自由にタバコを吸えないよう、タバコは買い置きをしない、持ち歩かない。
11:禁煙開始日が近づいてきたら、灰皿をタバコの吸い殻でいっぱいにし、その光景とニオイが非常に不快であることを確認する。
12:禁煙開始日の前日は、残っているタバコ、ライター、灰皿などを処分する。
13:禁煙すると離脱症状(禁断症状)が出る場合があることを知っておく。
14:喫煙再開の多くは禁煙後1~2週間に始まることを認識しておく。
15:生涯禁煙すると考えると精神的に大きな負担になるので、今日一日だけは吸わないでおこうと、軽い気持ちで挑戦する。
※公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 HP/厚生労働省「最新たばこ情報」より

 禁煙を成功させるには、周到な準備のもと、気持ちに余裕を持って取り組むことが大切です。ただ、上記の方法を試してもうまくいかなかったり、気持ちにも時間にも余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。関西メディカルネットでは、禁煙をはじめとした生活習慣の改善についてご相談に応じています。お一人でお悩みの場合は、ぜひ一度お問い合わせになってはいかがでしょう。

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