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2016.02.02

がん予防のためにも、生活習慣を見直しませんか?

 毎年2月4日は「世界がんの日」です。これは、がんへの意識向上と予防、治療への取り組みなどを促すために、WHO(世界保健機関)のサポートを受けた世界120ヵ国400もの対がん組織からなる国際対がん連合(UICC)が定めた記念日で、2005年より世界がんキャンペーンを開始しています。
 世界中において、がんは主要な死因であり、WHOの付属機関である国際がん研究機関がまとめた報告によると、2012年に新たにがんと診断された患者数は1,400万人にのぼるとされ、20年後には2,200万人まで増えことが予想されています。日本でも、がんになる人は増加傾向にあり、現在、2人に1人が、がんを患っているともいわれています。
 日本でがん患者が増えているのは、高齢化にも大きな原因があるようです。がんは老化現象のひとつともいわれているため、長寿国・日本でがん患者が増加するのは自然なことなのかもしれません。だとすれば、私たちは長生きするほど、がんになる確率が高まることになります。誰にとっても他人事ではない、がんという病気。元気で長生きするためにも、今回は、がんを遠ざける方法について考えてみたいと思います。

【がんの多くは、予防可能な生活習慣病】
 がんの多くは、予防可能な生活習慣や環境要因が原因の「生活習慣病」といわれ、年齢とともにそのリスクは高まります。国立がん研究センターの予防研究グループによると、日本の男性のがんのおよそ55%(がん発生53%、がん死57%)が、女性では約30%(がん発生28%、がん死30%)が、予防可能なリスク要因により発症しているといいます。
 がん発生のリスク要因としては、男性の第1位が喫煙、女性では感染性要因となっており、次いで飲酒が挙げられます。能動喫煙に関連づけられるがんには、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、肺がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、子宮頸部がん、骨髄性白血病があり、肺がんのリスクは、他人のたばこの煙(間接喫煙)によっても高まります。
 感染因子として特に多いのがC型肝炎ウイルスとピロリ菌で、C型肝炎ウイルスは肝臓がんを、ピロリ菌は胃がんのリスクを高めます。また、子宮頸がんの原因のひとつとされるのが、ヒトパピローマウィルス(HPV)で、皮膚や生殖器にイボを発生させるこのウイルスは、性経験のある女性の50%以上が感染するとされる一般的ウィルスで、ほとんどの場合、自身の免疫力により排除されますが、ウイルスが長い間排除されなかった場合、子宮頸がんにつながる可能性があるため、定期的な検診が望まれます。

 喫煙、感染性要因に次いで多い飲酒については、口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん、乳がん、肝臓がんのリスクを高めるとされており、節度のある飲酒が望まれます。1日あたりのアルコール量は、日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度が目安です。

 

【がんのリスクは、生活習慣の改善で下げられます】
 厚生労働省、国立がん研究センターなどによると、ダイエットとがん予防の意外な共通点が指摘されています。ダイエット同様、生活習慣の改善でがんのリスクは下げることができ、それには

   ①タバコを吸わない(※) 

   ②食生活の見直し 

   ③適正体重の維持 

   ④お酒を飲み過ぎない 

   ⑤身体を動かす

という5点がポイントだとしています。これらを実践することにより、男性の43%が、女性では37%が、がんになるリスクを軽減することが可能だといいます。
 また最近では、座り過ぎが、がんのリスクを高めるともいわれています。座りすぎると足の筋肉が活動しないため、血流が悪くなり、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病といった病気のリスクを高め、さらには肺がんや肝臓がんの発症にもつながることが指摘されています。日本人は1日に座っている時間が世界で最も長いといわれており、デスクワークでの仕事が長時間に及ぶ人は、意識的に身体を動かすことが大切です。
 がんは「一年前にはなかったのに、今年見つかった」ということがよくいわれます。がんはある時期から急に成長のスピードを速めるため、定期的な健診は不可欠。がん発見に有効とさせているPET検査や、CTや内視鏡など、さまざまな検査を受診し、発見しやすいタイミングを逃さないようにしたいものです。初期段階で発見できれば完治することも少なくない、がんという病気。がんに対する意識を高め、生活習慣を見直しながら、いまも、そして将来も、がんと無縁な身体づくりをぜひ実現させましょう。

※ 喫煙による味覚の減退が食欲を増加させ、太りやすい体質になることが指摘されています

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