コラムColumn

2015.08.11

体調管理

正しい知識を持つことが、心疾患予防の第一歩

 「健康ハートの日」をご存知でしょうか。これは心臓病の予防啓発活動を行う日本心臓財団と厚生省(厚生労働省)が1985年(昭和60年)に制定したもので、「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから、毎年8月10日を「夏の間に心と体のチェックをして、心臓の病気が多発する冬に備える日」とし、官民が連携しながら、各地でさまざまなイベントや啓蒙活動を展開しています。

 日本では悪性腫瘍(がん)に次いで死亡率の高い心疾患。高齢化に伴い増加する病気ですが、働き盛りの40代にもリスクが高く、欧米型の食事や運動不足、ストレスなど生活習慣が発症に深く関わっています。

 恐ろしいのは、心疾患が突然死に結びついてしまうところ。日本心臓財団によると、急性心筋梗塞をはじめとした心臓に関する病気が突然死の6割以上を占めているといいます。しかもその多くが、急性症状が起こって1時間以内に死亡しているとのこと。そんな最悪のケースに至らないためにも、心疾患について正しい知識を持つことが重要です。

 

【心疾患ってどんな病気なの?】  

私たちが生まれてから休むことなく働き続けている心臓。体全体に血液を送り出すポンプの役目を担っています。心疾患とは、そんな大切な心臓に起こる病気の総称。その代表的なものが狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患です。

 "虚血"とは血液のない状態を示す言葉で、虚血性心疾患は心臓の周りの冠動脈という血管が狭くなり、あるいは詰まることによって、心臓に血液が行き渡らない状態になることで引き起こされる病気です。このうち狭心症は、心臓へ送る血液が一時的に減ることによって起こり、胸が締め付けられるような苦しさや痛みが数10秒から10分程度生じます。ただ、心臓の筋肉である心筋は生きているので回復が可能であり、痛みも安静にしていると15分程度で治まることが多いです。

 一方、心筋梗塞は血液の流れが長く途絶え大幅に減少することで生じるもので、この場合、心筋の細胞が壊死してしまい、元に戻すことができません。痛みも狭心症とは比較にならないほど激しく、冷や汗や吐き気を伴うことも。これは大変危険な状態であり、すぐに救急車を呼んで医療機関へ受診しなければなりません。心筋梗塞で亡くなる人の半数は発症から1時間以内といわれており、一刻も早い対応が望まれます。

 これら狭心症と心筋梗塞は、いずれも動脈硬化が主な原因であり、発症させないためには、動脈硬化を促進させないことが重要です。動脈硬化を引き起こす危険因子には、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などが挙げられます。ストレスも大きなリスクファクターであり、過重な仕事が血管病変に影響し、結果、心疾患を発症させるケースがあること、そしてそれが過労死につながり労災補償の対象になることを厚生労働省が示し、基準を定めています。  心疾患の予防策については、日本心臓財団が「健康ハート10か条」として提唱しています。これを参考にまずは生活習慣を見直してみましょう。

 

【健康ハート10か条】

① 血圧とコレステロールを正常に(太りすぎ、糖尿病には注意)

② 脂肪の摂取は、植物性を中心に

③ 食塩は調理の工夫で、無理なく減塩(1日6g未満を目標に)

④ 食品は、栄養バランスを考えて(1日30食品を目標に)

⑤ 食事の量は運動量とのバランスで。甘いものには要注意

⑥ つとめて歩き、適度な運動を

⑦ ストレスは工夫をこらして上手に発散

⑧ お酒の量は自分のペースでほどほどに

⑨ タバコは吸わない。頑固に禁煙

⑩ 定期検診わすれずに(毎年一度は健康診断)

※日本心臓財団提唱「健康ハート10か条」より

 

 【健診で体内のリスクを知ることが予防につながる】

 虚血性心疾患の予防には、生活習慣改善の取り組みとともに、自身の体の状態をしっかり把握しておく必要もあります。たとえば、高血圧や糖尿病、脂質異常症、不整脈は発症のリスクを高めるため、血圧検査、脂質検査、代謝系検査といった検査はぜひ定期的に受けておきたいもの。そうしたことが、虚血性心疾患の早期発見につながります。心電図などの検査も、不整脈や心疾患を見つけるのに有効です。関西メディカルネットでも、心疾患の早期発見に有効な健診メニューを多数取り揃えています。命に関わる事態に至らないためにも、ぜひ定期的な健診を習慣にしてください。


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