コラムColumn

2013.10.03

15:胃下垂は逆立ちしたら治る?

<コラム> これって、ホント!?健康★常識・非常識

巷にあふれる健康や病気に関する噂。果たしてそれを、そのまま鵜呑みにしていいのか、悩ましく思うことも少なくないですね。そこで、厚生労働省などの専門機関のデータを参考に、気になる健康情報がどういうものか、いま一度考えてみました。

 

15.胃下垂は逆立ちしたら治る?

 

 胃はお腹のなかでブラブラしているものではないので、逆立ちをしても胃は上がってきません。そのため、逆立ちで胃下垂が治ることはありません。

 そもそも胃下垂とは、胃が骨盤よりも垂れ下がっている状態のことで、いわば体質のようなものです。胃下垂そのものは病気ではありませんが、胃が垂れ下がることで胃のぜん動運動(※)が弱くなり、それによって胃アトニーを併発しやすくなります。

 胃アトニーとは胃の筋肉がたるみ、胃の動きが悪くなる病気です。炎症や潰瘍ができる病気ではありませんが、食べ物をうまく消化できないため、太りにくいという状態を引き起こします。この胃アトニーの大きな原因が胃下垂であることから、胃下垂イコール痩せている人が多いという印象に結びついているのです。ちなみに、たとえ胃下垂でも、胃の機能が正常であれば、太っている人がいても不思議ではありません。

   「胃下垂(実は胃アトニー)の人はいくら食べても太らないからうらやましい~」とはよくいわれることです。しかし、消化不良による胃もたれや胸やけ、膨満感などを感じたり、食べたものが胃につかえ気分が悪くなるなど、その症状はつらいものです。また、食後、下腹がポッコリ出るので、重心が傾き、姿勢が悪くなってしまう…といった美容的な悩みも生じます。

胃アトニーの治療には、食事療法(食事を1日4〜6回に分け栄養価の高いものを少しずつ食べる)や、運動療法(腹筋を鍛える)など生活指導が中心となります。また、胃の運動機能をよくする薬もあるようです。

日本消化器病学会によると、胃もたれや胸やけは逆流性食道炎などにもあらわれる症状といいます。夜間に食べた物が逆流するなどして睡眠が妨げられるなど、日常生活に影響が出てくるため、早めの治療を勧めています。食事を楽しいものにするためにも胃の健康には気を配りたいものですね。

※胃や腸で行われている運動。食べたものを送り出したり、中のものを消化・吸収しやすいようにこね回したりする働きがある

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