2013.11.07
16:あなたの睡眠、足りていますか?
<コラム> 健康なからだはいい睡眠から
人間の心身の休息に不可欠な睡眠。しかし、睡眠の大切さを認識している人はそう多くないかもしれません。ここでは睡眠とは何か、そして睡眠に関連する疾患にはどういうものがあるかをご紹介します。
16. 睡眠と生活習慣〜あなたの睡眠、足りていますか?
人生の1/3を占めているといわれる睡眠。しかしいま、日本人の睡眠時間は年々短くなっています。NHK放送文化研究所が5年に1度行っている全国調査では、1960年には平日の平均睡眠時間が8時間13分だったのに対し、2000年には7時間23分、2010年にはさらに9分少ない7時間14分との結果が報告されています。夜間の労働や娯楽、24時間営業の店舗の増加など、日本人の生活が不規則になったことが睡眠時間減少の大きな要因といえるでしょう。
こうしたライフスタイルの変化とともに、日本人特有の気質も、こうした事態に拍車をかけています。勤勉な日本人は、睡眠時間を犠牲にして働くということを、当たり前のように受け止める傾向にあります。そのため、週に50時間以上労働している就労者の比率は、世界でつねにトップ。しかし、世界の労働生産ランキングではOECD(経済協力開発機構)加盟国30カ国中19位。睡眠時間を削ってまでがんばっているのに、生産性が伸びないのは実に残念なことです。ただ、睡眠不足が注意力・判断力の低下につながり、仕事の能率を下げたり、ミスを引き起こす可能性があることを考えれば、ある意味、当然のことかもしれません。
そうならないためにも、きちんと睡眠を取っておきたいものですが…では私たちには何時間ぐらいの睡眠が必要なのでしょうか。よく、大人の場合で7〜9時間といわれますが、必要な睡眠時間には個人差があり、一概に時間だけで判断するのは適切とはいえません。それよりも、注目すべきは日中の行動です。たとえば昼下がりの時間帯でもないのに、会議中にウトウトしたり、車の運転中に眠くなったりしてしまうことはありませんか。そういう場合、平日の睡眠時間が不足しているか、何らかの原因で睡眠の質が悪くなっていることが考えられます。また、土日に平日より2時間以上多く眠る人も、平日の睡眠時間に問題ありです。
「自分は短い睡眠時間でも大丈夫」、そう思っているあなた。もしかしたら慢性的な睡眠不足を自覚できていないかもしれません。睡眠を見直す、それが健康で快適な日々を過ごすために極めて重要であることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
●関西メディカルネットの睡眠プログラム(スリープエンハンスメントプログラム)---> <リンク>
次回コラムは、「質のよい睡眠とは」をお送りします。お楽しみに!