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2005.12.01

季節の気になる病気「脳卒中」を防ごう

季節の気になる病気「脳卒中」を防ごう
特に冬に限った病気ではありませんが気温差の激しい冬場は要注意!

脳卒中とは脳の血管が詰まったり破れたりして脳神経系の機能障害が急激に起こる疾患の総称です。CTやMRI検査が無かったころには、出血か梗塞かの区別もつきにくく、治療法もほとんどありませんでした。現代では、早期診断と適切な治療により、死因順位も、昭和56年までの1位から第3位に転落しています。しかし、脳卒中の怖さは、その後遺症にあります。半身不随や痴呆症、寝たきりの大きな原因ですので、発症を防ぐ生活が大切となります。脳卒中は、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の3種類に大きく分かれ、脳梗塞が65%前後、脳出血が25%前後、クモ膜下出血が10%前後となっています。

《脳梗塞》
脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳の一部が死んでしまう疾患ですが、脳血栓と脳塞栓に大きく分かれます。脳血栓は、動脈硬化性疾患が進行して、脳の動脈が詰まってしまって起こりますので、動脈硬化を防ぐため、高血圧・高脂血症・糖尿病などのコントロールや、禁煙が大切になります。直接のきっかけとして脱水が関与しますので、夜中にトイレに起きたときや朝目覚めたときなどに発症しやすいといわれています。一過性脳虚血発作(TIA)といって、麻痺やしびれ、舌のもつれなどの症状が突然出現し、数分程度で消えてしまうことや、無症候性脳梗塞といって、特に症状が起こった記憶も無いのに、脳MRI検査で、脳梗塞のあとなどと診断されることがありますが、これらは、脳梗塞の黄信号ですので、早急に内服治療などの積極的な対策が必要です。

脳塞栓は、心臓などでできた血栓が血流に乗って脳に運ばれて、脳の血管を詰めることで発症します。不整脈や心臓弁膜症などが原因となりますので、その治療が必要です。

《脳出血》
脳出血は、脳の中の血管が破れて脳の中に出血する疾患です。主に高血圧に起因します。夏より冬、活動時、特に一日のうち血圧の高くなる時間帯あるいはストレスなどによる急激な血圧上昇時、などにより多く発症します。血圧のコントロールが大切です。

《クモ膜下出血》
脳の表面の動脈瘤が破裂することで起こります。比較的若い年齢層に多く、突然の激しい頭痛で発症し、死亡率も高い疾患です。頭部MRI・MRA検査で未破裂動脈瘤を発見し、危険度に応じて手術などを受けることが必要です。

メディカルサポートシステム・パーソナルドクター
坂崎診療所内科医長 藤田美保子

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